私がこの本を買ったのは、今から約5年前。
当時住んでいた駅にある小さな商店街の、これまた小さな古本屋で、「100円均一コーナー」に並んでいるの
を発見したのでした。ぎゅうと詰め込まれた棚に、ひっそり収まっているピンク色の背表紙は、屋外の空気に
さらされて、ちょっとすすけています。
しかし100円です。安いです。
100円ごとき、大人の私にとってははした金(・・・そうでもないけど)です。
何を迷うことがありましょう?
しかししかし、私は大人なのです。
その私が、アニメのノベライズ、しかも コバ○ト文庫を買うってか??
私は一週間悩みました。当時はネットもあんまりやってないし、コミケも全然知らないし、同人誌なんてもち
ろん見たことありません。
それなのに、現役中学生の時だって読んだことのない、コ○ルト文庫を買うなんて〜〜〜〜
うぁ〜〜〜〜〜〜〜(迷いつつ古本屋の軒先を不自然にうろうろする私)
でも結局買っちゃいました。
巻頭グラビアの「愛し合う009と003のまえに宇宙の敵ゾアが出現」の誘惑に抵抗でき
なかったからです(今から思えば「まえに」のひらがなが、いかにも怪しいゾ)。
・・・まぁ、私の甘酸っぱいメモリーはこれくらいにおいといて〜〜〜ふっ┐(´_`;)┌
***
このコバルト版は、基本的に映画のストーリーを忠実に再現したもので、それ以外の展開とか、細やかな心理
描写とかはありません(超銀初心者だった私には、充分衝撃的なストーリー展開で、文字通り開いた口がふさ
がりませんでしたが・・・^_^;)。文章も、お世辞にも名文とは言い難く、ど〜してもななめにしか読めない
薄さがあります。
誤植も多くて、002がいきなり
「ララー!」 ←「コラー!」の誤植と思われる。情報提供:おっとせいさま
と叫ぶのには、ウエストサイドを思い出して踊り始めたんかい!? とフリーズしてしまいます(笑)
というわけで。今回は、93タマラの三角関係シーンに限定して、レポートを書きたいと思います!
だって買ってまず読んだのはソレだし。今はソコしか読み返さないし(こらこらっ)。
きっと、あなたが知りたいのもココなはず・・・(妖笑)
では、Let's go!!
★scene1:93ラブシーンその1★
ゾアを倒しに行くことが決まり、思い思いに過ごすサイボーグたち。
砂浜でたたずむ9のところに、3がやって来ます(よくあるシチュエーションやね)。
危険な戦いに君を連れて行きたくない、と言う9の頬に平手をくらわせた3。
(このひとは何もわかっていないんだから……)
「このひと」って・・・すでにおかみさん気分? 糠味噌くせーーーーっ
一方の9。(君の気持ちはよくわかっている……)と、想いにふけります。
(灰色に閉ざされたぼくの人生、その生涯の中に鮮やかな色どりを与え、生きる力を与えてくれたのは君の存在だった)
あんなにモテモテなのに、どこが灰色なんだか。まぁ人生観は主観でしかないですけどね。
それにしても、あんまり相手を過大評価するのはどうかと思いますよ。
で、あなたと一緒にいたい、と訴える3をぐっと抱きしめる9。
日はすでにとっぷりと暮れて、渚に打ち寄せる波に、夜光虫の青白い光がチラチラとゆらめき、消え残る黄色の残照の中に、幾多のカモメが黒い影となって、ゆっくりと舞い群れている。
二人は抱き合ったまま刻々と移り行く、天地の間に孤独な魂を寄せ合って、はかない生命に永遠の息吹を与える、愛の輝きを身体いっぱいに感じていた。
どうです? かゆいですか? 私はかゆいです(笑)
で、ここからって時に、これまたいつものように001からの呼び出しが。
(わざと邪魔してんじゃないの? このくそガキャ〜〜〜〜〜〜〜〜ρ`へ´#)
というわけで、あっけなくラブシーンその1は終了するのでした。
★scene2:タマラ登場★
タマラですよ。
描写がすごいですよ。いかに美人かってことが切々と書いてあって、憎さ百倍です(爆)
一人の女がまるで歌麿の見返り美人といった趣で、スラリと立っていた。
歌麿・・・(@o@)
たまらない美人、とニヤニヤする6。そして
006に言われるまでもなく、サイボーグたちはみんなそう思っていた。
きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜っははははははははっ・・・腹痛いっっ
タマラの容姿の描写は、10行も続きます。そして
まず男であれば、一目見たとたん、たちまち恋に陥って、何もかも捨ててしまいたくなるようなタイプなのだ。
それって、後についフラフラしてしまう9への、弁護ですか・・・(汗)
9は、なさけないことにタマラを見てゴクリとつばきを飲みこんでまして、
やっぱり『超銀』に関しては彼は有罪だと思います(遠い目)
★scene3:タマラの誘惑★
93ファンにとっては、握り拳を作らずにはとうてい見ることが出来ない(?)三角関係クライマックス。
ノベライズではどう表現されているでしょうか?
復興の始まったファンタリオン星に残ってください、と9に懇願するタマラ。
---ついに来た---
な・に・が「ついに」やぁ!! 待ってたんかいぃぃぃぃぃ!?
ファンタリオン星の王になって欲しい=自分と結婚してくれ、と(あつかましく)提案するタマラ。
009は身内に何とも名状し難い感動が満ちあふれるのを感じた。 (この女は、ぼくに愛を告白している)
え゛??(こっちは不安が満ちあふれるのを感じるって・・・3はどうなる、3は?)
「…あなたがこの星に残って下されば、やがて新しい私たちの生命が…すばらしい私たちの子孫が誕生する事になるのです」
ひぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(注:私は小説版で初めてこのセリフを知りました)
夏休みの昼下がりにテレ東あたりでやってる、イタリア映画のお姉さまみてぇ!
うっわー直接的・・・・・子孫は93の専売特許なのにぃ!
タマラは、身体ごとぶつかっていくよりしようがないわと
文字通り体当たり。
9は思わず(疑)しっかりと彼女を抱きしめてしまいます。
009の頬にかろやかにタマラの髪が触れ、温かくてしなやかなタマラの身体が、009の腕の中で激しい息づかいとともに、ある種のズッシリとした充実感を感じさせる。
か、官能小説ですかい・・・A^_^;)
ここに乱入する、234。危ないところでした。
だって、タマラは目を伏せてトロンとしているし、9の方は曖昧な顔をして、目ばかりパチパチやってます。
彼はここに至るまでちっとも3のことを思い出さないし(涙)あと少し遅かったら、どういう事態になってい
たか。いや絶対そうなっちゃっていたでしょう・・・。
この状況を察知して、
石段の途中で003が、そのまま上る気にもなれず、さりとて降りるのも不自然だというので、行き場を失ってうなだれてしまいます。
可哀想な3・・・。平ゼロのフランちゃんなら、絶対張り飛ばしてます(私もです)。
絶体絶命の9。彼は何とか自分の立場を確立する必要に迫られて、突然演説を始めます。そーとーマヌケです。
ふがいないことに、タマラに断った後もまだ動揺が治まらず頭を下げている009の目の焦点が定まらない。
またしても、あまりにもタイムリーなタガス軍団の襲撃を、一番喜んだのはきっと9に違いありません。
タマラが死んじゃって、君は少しでもほっとしなかったかい?
★scene4:93ラブシーンその2★
闘いが終わって、地球に戻ったサイボーグ戦士たち。
004も無事に生き返り(笑)それぞれが今後の生活を語ります。
(ちなみに、4は2にカナダの山ん中へ行って、動物たちと仲良く暮らすか?なんて誘ってます。これって今読むと、めちゃ美味しいやおいネタですね。
平ゼロで考えると、24が山の中なんて想像もつきませんが、超銀の渋いお二人だとあり得る設定なのかなぁ)
3はこだわりを捨てきれないまま、9に今後のことを尋ねます。
ここで9の殺し文句
「君と一緒にフランスへ行くか」が炸裂!
おまけに彼ったら白い歯をチラッと見せて、ニコリとしたりなん
かして。このぉ〜確信犯!
それを見た瞬間、003はハッキリと目覚たのだった。すべてのこだわりを捨てて、自分が009を限りなく愛すべきことを……そして、現に愛していることを。
う〜ん、本当にいいのかフランソワーズ! 私の頭の中では疑問符がいっぱい飛び交っているぞ!!!
・・・まぁいいか。貴女がそれでいいなら。で、それで? それからどしたの?
009が003の肩に手をかけると、しっかり引きよせ、お互いの心臓の鼓動を確かめ合った。そうやって二人は、いつまでも平和そのものの海と空を眺め続けていた。
イシュメールが飛んでいって、空のかなたに消えて、終わり。
・・・終わりですか? あっさりしてますね〜(゜_゜;)
映画版を観たのは最近です。だって超銀のジョーって、別人格のような気がしません?
なんか受け入れられなくってね〜(お好きな方には本当にすみません)。
でも実際観て、ほんと〜に違う人だったので(あえて言えば古代進入ってる)タマラとの浮気の件も、余裕で
突っ込めるようになりました。
観て良かったです。
***
こうやって読み直すと、コバル○文庫版、面白いですね!
100円の元は取れました☆
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