注意:このレポの主旨は、あくまでも、改造前の島村ジョーを徹底解剖することにあります。
真面目な少年法の勉強には不向きですので、ご注意ください。
原作において、ジョーの年齢および誕生日は明らかにされていません。
『誕生編』で少年鑑別所に収容されていたことから、「少年」であったことだけはわかります。
ではそもそも、「少年」とは何歳なんでしょうか?
1948(昭和23)年7月15日に公布された「少年法」第2条1では、このように定義されています。
この法律で「少年」とは、20歳に満たない者
つまりジョーは20歳未満だったわけですね・・・えっわかってるって?(^_^;)
『誕生編』では、お喋りイワンちゃんが『ジョーは孤児院を出て働かねばならない年になったが、混血のため
冷たく扱われ、次第にひねくれた』と語っています。
孤児院というのは、今でいう児童養護施設ですが、対象年齢って今では特に制限あるのかしら・・・?
高校や大学進学も可能ですしね〜。
ま〜おそらくこれは、義務教育の15歳まで施設にいたってことなんでしょう。
そして働き出したけど、うまく適応できなくて、次第にひねくれた。
ルックスと合わせて想像するに、16歳〜18歳くらいなんでしょうね。
ちなみに私は今まで16歳説をとなえていたのですが、多分孤児院ではいい子だった(それは009になってから
の言動で推察される)彼が罪を犯すにいたるには、もうちょっと時間がかかるような気がしてきています。
少年が裁かれるのは、家庭裁判所です。
そして少年法第3条1では、裁判に付されるべき少年を、3つに分類しています。
犯罪少年 触法少年 虞(ぐ)犯少年
これらを合わせて非行少年と呼びます。
犯罪少年とは、14歳以上20歳未満で、罪を犯した少年のこと。前述のイワンの弁によれば『ツイニハ悪イコト
ヲシテ』捕まったジョーは、これに当たると思います。
14歳未満の子供は、たとえ違法行為をしたとしても、法的な責任を問うことはできません。なので触法少年と
言われ、特別な措置がとられています。
虞犯少年とは、以下のように定義されています。第3条1-3。
次に掲げる事由があって、その性格又は環境に照して、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虜(おそれ)のある少年 イ 保護者の正当な監督に服しない性癖のある こと。 ロ 正当の理由がなく家庭に寄り附かないこと。 ハ 犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際 し、又はいかがわしい場所に出入すること。 ニ 自己又は他人の徳性を害する行為をする性 癖のあること。
たとえば、家出をくり返して盛り場をうろついているとか。そういうのを虞犯というのだとか。
つまり、具体的に犯罪を犯していなくても、捕まって処分される可能性があるわけです、少年は。
ちょっとこれはびっくりしませんか?
ジョーなんて、もともと保護者も家庭もないわけで、もしかして鑑別所入りの要件はこれちゃう? と一瞬思
いました! だってほら009になってからのジョーって、ぜんっぜん元不良ぽくないから!
ん〜ま〜でも↑のイワンの言葉にあるとおり、何か悪いことはしたわけですよね〜。
だからやっぱ犯罪少年なんだろうな〜。う〜んめっちゃ凶悪そうな呼ばれ方・・・。
いったい何をやらかしたんだ、ジョーーーーーーーー!?
※ちなみに少年法では、少年は可塑性に富む=適切な援助があれば立ち直りやすい=と考えて、単に処罰する
のではなく、少年を健全に育成・教育することを目的としています。なので虞犯という概念があるわけです。
さて、非行少年はさらに、年少少年(14、5歳)、中間少年(16、7歳)、年長少年(18、9歳)に分けられま
す。少年にとって年齢は非常に重大な意味を持っていて、中間少年以上だと刑事処分を受けて少年刑務所に入
れられる可能性がありますし、さらに年長少年には死刑を執行することすらできるのです。
ここで歴史的な話をすると、009の始まった1964(昭和39)年は、戦後少年犯罪の第2のピークだったんですって。都市化が進み、非行が低年齢化したのが原因とのこと(第1次ピーク
は1951年で、戦災孤児などの貧困が原因)。
犯罪史をひも解けば、64年4月1日に広島少年鑑別所で15人が教官を縛り脱走、逃走中に強盗。
6月14日にも、甲府少年鑑別所で6人が教官を閉じ込めて脱走しています。
ジョーたちの脱走シーンは、当時の読者にはとってもリアルだったのでは?
いずれにせよ、世相の流れに敏感な石ノ森先生のことですから、これらのニュースは多分に物語に影響を与え
ていたんじゃないか、と思います★
蛇足。
4月15日に、茅ヶ崎の17歳少年が、タクシー強盗で逮捕されてるのですよ。
ジョーなわけないんだけどさ!
うわぁ〜時期も場所もぴったりだなんて思ったりして・・・・・・・・・・・・バカだ私・・・。
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