完結編を待ちつつ読みたい石ノ森萬画【完結編準備編】



『ブルーゾーン』
★★★★★★★★★★
(1968年 週刊少年サンデー連載)
小学館 ゴールデンコミックス:全2巻/大都社 スターコミックス:全2巻/青林堂:全1巻


★ダイジェスト★

石森章太郎のアシスタントとして働いていたジュンのところに、さる資産家の執事が来訪した。
それによって、じつはジュンは大金持ちの跡取息子であることが判明し、
孤児院に預けられていたのは『敵』の攻撃から彼を護る為の苦肉の策だったという。

彼の父二子神博士はすでに母や姉とともに『敵』に殺されていた。
『敵』とは? そしてその『敵』とジュンはどう戦うのか?

【緋鳥記】

illustrated by 緋鳥 
主人公&ヒロインの二子神ジュン&広小路リナ。


           


★入手状況(2004年11月現在)★

ゴールデンコミックス大都社版:古本でも滅多にみかけない…。
青林堂版 :復刻版単行本。現在は絶版。

今後オンデマンド方式で購入可能になるかもしれません。
問い合わせ先:http://www.garo.co.jp/

【人参のしっぽ記】



大都社版で1冊1,000円程度。
2001年、青林堂から再販されましたが、全1巻(分厚い)1,800円でした。

【緋鳥記】



青林堂版は古本屋でちょくちょく見かけます。
復刻版なので線がかすれているのがちと残念ですが、安いのを発見できたらこれでも充分かと。

【るな記】

         


★ここがオススメ!!★

オープニングは おなじみ石森プロの仕事場。
かけだしアシスタント 主人公ジュン 16から始めて2年… 彼は18歳になった。
誕生日なのに、おもいきり先生からお小言くらってます「それにしちゃ進歩がおそいぞ!!」
プロの仕事はどこでも厳しいのだよ… (^^;

そこへ弁護士が訪れて、ジュンには8億の相続権があるという(<仰天する先生)
連れて行かれた屋敷には いかにも偉そうな老人がいた。
「若、お帰りなさいませ!」
「じいはどんなにかこの日をお待ちしておりましたことか…!!」

はじめは後継ぎを拒否していたジュン (<無理もないけど)
しかし育った施設が襲われたことで怒りが爆発。
父、二子神博士が開発した霊剣「村雨」・霊銃を手に戦う決意をします。
《やつら》敵は霊体(エクトプラズマ)で人間を操る異次元生命体。
二子神博士はこの世界を『ブルー・ゾーン』と名づけていました。

 illustrated by 人参のしっぽ
ゲーム詳しくないけれど『ブルー・ゾーン』RPGにすると面白いかも(^^)
いずれドラマ化あるらしいです、楽しみ♪



後半 父と子は霊的合体?でパワーアップ。
仲間も増えて『幻魔大戦』と似たつくりになり期待しましたが
こちらの展開は中断。うーんなぜだろう
終章は女性型アンドロイド「ロミイ」が登場し苦戦します。
こいつ最強!美形なだけに恐い。『ターミネーター』とかに登場させたい(笑)
結局父の決断に頼ることになるのが ちょっと残念。
ジュンの成長ぶりを読みたかったです。

【人参のしっぽ記:評価★★★☆☆】

        



石森章太郎作画 原作…つのだじろう??と思える展開(笑)

MF社刊『009コンプリートブック』上でも『幻魔大戦』『アガルタ』とともに
『天使編&神々との闘い編』との関連性が指摘されていた作品であるが、
実際はそうでもない気がします。
イナズマン以上にオチは消化不良。

主人公のジュンが孤児で石森章太郎のアシスタントという設定で
メタフィクション的に展開するのも『完結編』に似ている…かな。

それよりも特筆すべきは主人公ジュンとヒロイン リナのカップルが
『009移民編』の司令官&リナに酷似… 描かれた時期が同じなのです。

【緋鳥記:評価★★★☆☆】

こちらは『サイボーグ009移民編』未来人司令官&リナF-502。似てますよね(笑)
両者が描かれた時期ってほぼ同じなんです。illustrated by 緋鳥


おまけ:平ゼロ版クビクロにも登場した団刑事。
『ブルーゾーン』や『怪人同盟』に登場します。
『秋田書店サンデーコミックス10巻』の巻末に収録されている
『追われる』という作品では、「三橋刑事」という名前で出てきます。illustrated by 緋鳥



         


SFではあるものの、かなりオカルトホラーちっくな雰囲気を持つ作品で、
最初読んだときには完結編との関係を認められませんでした。
ところが、平ゼロの『完結編序章』を見たときに、この作品を思い出したのです。

もしかしたら、本作品の中に完結編での「敵」を読み解くヒントがあるかも
(『完結編序章』に出てきた「邪鬼」にそっくりの奴が登場します)・・と思っています。

相当破滅的でしかも未完に等しい終わり方は残念なのですが、
ラストで「ブルーゾーン」と、我々の現世や死後の世界との関係について
(むちゃくちゃ大胆な)解釈が展開されており、度肝を抜かれました(笑)
絵柄的には、劇画タッチが入って大人っぽく洗練されてきた時期であり、
とても格好良いです!
アクションシーンも迫力があります。

なお、平ゼロの『完結編序章』や『アガルタ』と同様に、
作中にそのまんま漫画家として原作者が登場する所にも注目です。

【まつもと記:評価★★☆☆☆】

              



前半のオカルトネタは、正直「・・・をいをい;」なのですが(^_^;)
後半、「暗黒魔団」のあたりはようやく(?)SFテイストを取り戻し、結構好きですv
ジュンが美少年でね〜〜〜磔シーンとか・・・えへ♪

 illustrated by るな



最後の闘いに向けて主人公たちが超能力を身につけるパターンが、一連の「完結編モノ」と
同様にこの作品でも見られます。邪鬼も登場するし。
あとラストで披露される「進化」の概念は、きっと当時の石ノ森先生の
テーマだったんだろうなぁ・・・。

超能力や進化の原因をオカルトちっくに解釈した点が、この作品のキモだと思います。
(なのでパターンは似ているけど、こんくるには直接採用されないと思いたい・・・どうだろ?)

石ノ森萬画館のカフェ『ブルーゾーン』は、この作品から命名されています。
『009私の王子様サンド』『002ドック』などナイスなネーミングと、
とっても親切なスタッフのいる素敵なお店です。詳しくは萬画館レポを見てね♪

【るな記:評価★★☆☆☆】

 

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