完結編を待ちつつ読みたい石ノ森萬画【とにかくオススメ!編】


 

『おかしな おかしな おかしなあの子(さるとびエッちゃん)
★★★★★★★★★★★★
(1964〜65年 マーガレット連載/他)
双葉文庫名作シリーズ(タイトルは『さるとびエッちゃん』):全3巻+完結編/他


★ダイジェスト★

ミコちゃん達の学校に転校してきた不思議な女の子、猿飛エツ子(エッちゃん)
「おとう」「おかあ」と遠く離れて、「おじい」と「おねえ」と一緒に
不思議なハイテクの家(但し外見はあばら屋)に住んでいる。

エッちゃんは体は小さくても、動物と喋ったり、マッハ15(!)のスピードで走ったり、
という数々の超能力で、みんなの周りのどんな難題も解決するのだが・・・・。

アニメで出てくる犬のブクは、原作では後半になって、おとう達からの
クリスマスプレゼントと言うことで初めて登場。
ブクが関西弁を喋るのは、おじいがブクの声帯を、人間の言葉を出せるように
改造したから・・という事だそうです。

【まつもと記】

illustrated by るな 





★入手状況(2004年12月現在)★

色々な版がありますが、双葉文庫名作シリーズ(全3巻+完結編)が一番入手しやすいでしょう。
まだ、在庫が出版社にあるかもしれません。

【緋鳥記】



入手困難:
 朝日ソノラマ サンコミックス 全5巻
   同    ワイド版    全2巻

【人参のしっぽ記】



双葉文庫名作シリーズの付録>
1巻:『石ノ森章太郎ふるさと記念館』『マンガあいらんど』の紹介
2巻:『石ノ森萬画館』の紹介
完結編:石ノ森先生のエッセイ『エッちゃんの時代』2P

【るな記】

    


★ここがオススメ!!★

いわゆる『さるとびエッちゃん』です。懐かしいと感じられる方も多いと思います。
今読み返すとかなりハードな話、深い話(戦争批判、人種差別、戦争孤児など)もあります。
『かわいそうなおどり子』というエピソードがお薦め。

【緋鳥記:評価★★★★★】

                


「珠玉の」という言葉がピッタリの短編満載の作品です。
ギャグマンガという枠にはとても収まらず、内容はラブストーリーや人情物、
反戦物など多種多様で、石ノ森先生自身の言葉を借りれば『ユーモア・ストーリー・マンガ』。

中には相当おセンチな話もあるのですが、ヒロインのエッちゃんが
普通の美少女でないからこそ、どれも照れずに読めます。

特に後半になって、初期中期の石ノ森作品の代表的キャラがぞろぞろと出てくるのが楽しいです。
009のファンにはメインキャラの一人に某キャラのそっくりさんがいるのと、
超キュートなジョーが一コマ登場するのが嬉しい所。

又、文庫本3巻に収録の『すぎさりし日々』は「もうひとつのベトナム編」と言える作品です。

【まつもと記:評価★★★★☆】


  


昭和40年前後 少女漫画初期の頃…
主人公は たいていすごぶる美少女と決まっていました。
お人形みたいに綺麗な顔立ちで瞳は星キラキラ
そういう“オンナノコ”に読者は自分を投影させて夢みてたものです。

現在大家の少年漫画作家は、ほとんど少女漫画執筆を併行、石ノ森氏も例外なく
多数作品を発表しています。
いかにも正統派な石森美少女路線を ここではコロリ軌道変更〜〜
なんともユニーク且つ魅力的なキャラクターを生みだしてしまいました。
ギャグだかコメディなのかカテゴリーわからないけれど当時としては、とても画期的。

さてさて週刊マーガレットと週刊少女フレンド誌に颯爽と登場し、
アニメでは1971〜72年 テレビ朝日系で放映。

さるとびエッちゃん こと猿飛エツ子嬢
目は大きくパッチリしてるし(やや寄り目だけど)
いつでも笑みを浮かべてて(顔半分逆への字だけど)
口癖がチャームポイント(「オラ」に「エヘ」なんだけど;;;)
不思議パワーあふれるナイス三頭身  (^o^)
しかも彼女の能力はゼロゼロナンバーをかるく越えています。
<エッちゃん生身でマッハ15を走れるのよ、ジョー負けとるて>
美少女定義はともかく可愛いことには違いないのですっ。

ストーリーは短編一話完結型でわかりやすく、テンポも軽快でとても楽しい♪
そして読むうちにメランコリックな気分にもさせられます。
映画『赤い靴』を想わせる『かわいそうなおどり子』
エッちゃん版『サイボーグ009・ベトナム編』、『すぎさりし日々』(石ノ森マンガ学園にも収録)
が特にオススメ。

【人参のしっぽ記:評価★★★☆☆】

 

 

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