完結編を待ちつつ読みたい石ノ森萬画【とにかくオススメ!編】


『石ノ森章太郎のマンガ家入門』
★★★★★★★★★★★★★★★

(1965年『マンガ家入門』+66年『続・マンガ家入門』 書き下ろし)
秋田書店 秋田文庫:全1巻/他


★ダイジェスト★

第1部:入門編
 第1章 おさらい …………………………………………マンガを描くための初歩ハウ・ツー
 第2章 自己紹介(まんが家への道) …………………石ノ森先生自伝

第2部:テクニック編
 第1章:ギャグマンガ ……………………………………テキスト『どろんこ作戦』
 第2章:ストーリーマンガ ………………………………テキスト『龍神沼』
 第3章:その他のマンガ

第3部:総集編  ……………………………………………石ノ森先生のマンガ家論

第4部:お答えします(マンガ家入門A〜Z) ……テキスト『がんばれロボコン』など

【るな記】

              


★入手状況(2004年12月現在)★

新刊で入手可能。秋田文庫:定価590円

【人参のしっぽ記】



秋田文庫ならば新品入手可能だと思います。

【緋鳥記】



秋田文庫は楽に入手できると思います。
解説:島本和彦氏。石ノ森章太郎年度別作品リスト付き。

【るな記】

 
  


★ここがオススメ!!★

多少絵が描けたなら、誰もが子供の頃一度は漫画家に憧れたでしょう。
実際なれたとして、今どれだけプロ漫画描きがいるのか…
たぶんアシスタントを含め2万はくだらない数だろう。
でも人気作家となるとほんの一握り、何百名かにすぎません。

この方たちの違いはいったい何なのでしょう
作画テクニック? いえいえ技術なら一般人でも負けてはいません。
それは作品が持つ魅力、面白いかどうかに尽きると思います。ではどうやって??
『石ノ森章太郎のマンガ家入門』を読めばわかります (^^)

まず初歩編では使う道具、投稿方法から著者の経歴まで易しく紹介。
ストーリーマンガは名作『竜神沼』を題材にして、こと細かく解説(感動;;)
マンガ制作過程(プロセス)編でついに『サイボーグ009』登場〜!
真実のゼロゼロナンバーズ誕生物語ですよぉ (^o^)v
いうなれば漫画家《種明かし》を公然としてみせるのですから
それだけ氏の強い意気込みが感じられます。
そして漫画は総合文化であり、一流のエンターテイメントでなければと力説。
執筆時、氏はまだ27歳の若さでした。つくづく早熟な作家だったんだなあ…

「読者をとらえて離さない作品づくり」そのノウハウがぎっちり詰まっている本書。
40数年経てもいまだマンガ描きの『バイブル(経典)』とされる大きな理由です。
これから漫画家を目指すひとにも、読者として愉しむにも 目からウロコが落ちる
超オススメ必読本です!

<追記>
1965〜1966年発刊 初版箱入り上製本:巻末には有名漫画家・自宅住所が記載されていました。
ひゃーウソみたい、当時はのどかな時代でしたね〜〜〜 (~_~;)
ファンレター用にとの親切からですが、この住所を頼りに上京して
「弟子にしてください!」と門を叩くひともいたとか…

【人参のしっぽ記:評価★★★★★】


 



昭和40年発行『マンガ家入門』及び、同41年発行『続・マンガ家入門』を統合した単行本
『石ノ森章太郎のマンガ家入門(1988年)』を文庫化したものです。

単なるマンガの描き方の本ではなく、石森先生の経験や世界観を綴る事で
『マンガ家になるには…』という具体的な指標を示した名著。
多くのプロマンガ家、アニメ演出家などが「バイブル」と讃えています。

所謂トキワ荘の成功物語としての性格も一部併せ持ち、教材として『龍神沼』等
初期の名作が収録されている為、単なる読み物としての出来も秀逸。
しかし、現在秋田書店から出ている文庫版は正・続をまとめた分、
ページの都合からか『おかしなあの子―過ぎ去りし日々』『霧隠』
『夜は千の目を持っている』がカットされているのが残念。

映画好きの石森氏らしいこと細かな演出手法が、分りやすく適格に解説されており、
マンガ家を志す人のみならず、マンガの読者の眼のクオリティをも高めたと評されています。
また、ゼロナイの初期構想や物語の成立課程が若干の嘘を交えて描かれており、
ファンにとってはちょっとうれしい内容になっています。
また、巻末に先生の作品リストが収録されています。
年代別になっているので中々重宝すると思います。
石森スピリッツの後継者たる島本和彦の熱い解説文も読み応えがあります。

【緋鳥記:評価★★★★★】

   
 



多くのマンガ家に多大な影響を与えたという、名著。
マンガを描かない人にとっても、きっととても興味深く読めること請け合いです。
マンガを読む眼が変わりますヨ!!

解説やエッセーを読んで感じるのが、若き石ノ森先生の
アグレッシブなまでの自信と、 マンガへの愛情。
一流の仕事をする人の言葉は、どんなジャンルにおいても 強く響くのですね。

ゼロナイの構想秘話(『009 a la "cult"』にも収録)も必読です(^_^)/

【るな記:評価★★★★★】



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