完結編を待ちつつ読みたい石ノ森萬画【とにかくオススメ!編】


『覚え描き マンガ日本の歴史』
★★
(1989〜94年 描き下ろし)
中公文庫:全1巻/中央公論新社:全1巻


★ダイジェスト★

手にとると、マンガ本にしては やたらぶ厚い… それもそのはず
大昔から近代まで長ーい日本の歴史,風俗資料を一冊にギュウ詰め。
著者が贈る、詳細メモとデッサンで浮かび上がらせた各時代人の暮らしぶり。
読めばあなたも明日から日本史トリビア通になれる!?

【人参のしっぽ記】


        


★入手状況(2005年1月現在)★

新刊で入手可能。

ソフトカバー単行本:中央公論新社 定価1,631円
文庫版      :中公文庫   定価1,400円


全集『マンガ日本の歴史』
四六上製本:中央公論新社 定価各1,260円
文庫版  :中公文庫   定価各 550円

【人参のしっぽ記】


            


★ここがオススメ!!★

石ノ森氏が学識者チームと7年の歳月をかけた『マンガ日本の歴史』(中央公論新社)
全48巻+現代篇7巻にわたる超大作。上製本でズラリ並ぶとまさに壮観。
どの時代を読んでも楽しいの♪
だけれど長すぎて制覇にはマラソンなみの読書力が必要 (^^A;;;

晩期に書かれたものなので、ペンタッチやや弱めなのが惜しい。
編纂、監修がメインの作品とみた方がよいです。でも面白いのは間違いなし!
うーん、学生のときに読みたかった  (日本史テスト、苦手でした ><)
マンガで読めばスイスイ頭に入るのにねえ…
手軽な文庫版,テーマ編もありますから、お子さんの学習教材にいかがですか(←促販活動:笑)

本編で読むのをためらわれる方には、ぐっとやさしいこちらがオススメ。
『覚え描き 日本の歴史』は 『マンガ日本の歴史』に関する古代から江戸末期までの
時代考証をまとめたもの。つまりメイキング版です。

膨大な量の鉛筆画模写と綿密な資料調査に圧倒。これだけでも充分勉強になります。
実際に史跡を訪ねて、取材されたレポも収録。オマケだと言われても、とことん凝られてます。

イチオシは古代初期に登場の「卑弥呼」 とても美形で威厳あるし素敵なんですー。
こんくるーじょん序章「翡巫女」キャラにはこっち推薦vv
他にもおもわず笑えるメモやらくがきもたくさん、ぜひじっくり見て(#^^#)
石ノ森先生〜 即、歴史学講座が開けますよ。もし大学で客員講義されたなら絶対受けますっ。

“ひとりの作家が通して日本史すべてを書き下ろす”
前人未踏、漫画家偉業を成し遂げられたのは本当にスゴいものだと思います。
でもでも残念なのはただひとつ。
せめて同じぐらいの時間と労力を先生に授けて欲しかったこと。
ファンとして軽率ながら、書棚の前でつぶやいてしまいます。

「これらがサイボーグ009・完結編だといいのに… 」

【人参のしっぽ記:評価★★☆☆☆】



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