完結編を待ちつつ読みたい石ノ森萬画【とにかくオススメ!編】


『ロボット刑事』
★★★★★★★★
(1973年 少年マガジン連載)
中公文庫コミック版:全2巻/他


★ダイジェスト★

警視庁で出世とは無縁のヒラ人生、ベテラン刑事の。通称おやじさん
いきなり特捜コンビを組まされる羽目になるが なんと相手は最新ロボット!
困惑する彼だが警視庁長官からの命令では逆らえない。
長年地道一筋の芝には科学捜査は信用できず、ロボット刑事“K”にも露骨に反感を示す…

かたやロボットKは、的確に状況を分析して捜査にあたる優秀ぶり。
芝は事件の裏に「R.R.K.K」(ロボットレンタル会社)という組織が存在し
Kを造り警視庁へ送りつけた「マザー」と関係があることを突き止める…

相次ぐ凶悪事件の謎に迫りながら機械対人間の確執を描く異色作。

【人参のしっぽ記】

      



★入手状況(2004年6月現在)★

現状、一番入手しやすいのは、中公文庫コミック版(全2巻)でしょう。古本屋で1冊350円程度です。
KCサンワイドコミックス版等はマニアのコレクターズアイテムと化していると思われます。
大都社版はほとんど見かけません。

【緋鳥記】



新刊で購入可能。中公文庫コミック版:全2巻 各600円

【人参のしっぽ記】


   


★ここがオススメ!!★

『イナズマン』とともに石森氏の黄金期の作品。
中盤までの演出、絵のクオリティの秀逸さは素晴らしいです。

 illustrated by 緋鳥
芝 奈美(芝刑事の長女)



ただ…オチが『イナズマン 超人戦記』と一緒…。
でもそれを含めて、まさに石森テイストの醍醐味を満喫できる作品です。

【緋鳥記:評価★★★★★】




長年、足とカンで事件を解決してきた警視庁のベテラン刑事“おやじさん”こと芝刑事。
突然、警視庁長官よりロボットとコンビを組めと命令されてしまう。
科学捜査の粋を集めたロボット刑事“K”と「特捜班」を作るテストケースだというのだ。

もとより頑固一徹、粘りの捜査を信条とする芝おやじ。
ハイテクロボットを部下にしろなんて、素直にきくわけがない (^^;;
当然Kに何かと文句を言い冷たい態度をとり続けます。Kはいっこうに構わず、
丁寧におやじさんをサポート(ロボットだから当たり前といえばそうなのですけれど)
ますます苛立つおやじさん が、おかまいなく事件は起こる。
混乱する捜査陣をよそにKは冷静に現場分析し、見事に事件を解決してみせます。
これには 嫌でも実力を認めざるをえない…

ついにはおやじさん、Kを父娘三人暮らしの自宅へ下宿させるのです
(Kの素性が謎なため、探る目的もある)
風貌もギルモア博士激似へと変化 この作品中 堂々の準主役級 (^_^)v
ここいらあたりドラマ『はぐれ刑事純情派』『踊る大捜査線』っぽいです〜
さながら安浦刑事か和久さんか♪

最初は馴染めなかった娘たちも、Kの人柄?に好感を持つようになります。
数ある石ノ森キャラでも『ロボット刑事』Kは、ずば抜けて“いいひと”
礼儀正しくて物腰丁寧、どんなときにも相手に対して思いやる性格の良さ。
おまけに詩創作までするんですよー こんな教養高いロボットいるでしょうか。

 illustrated by 人参のしっぽ



惜しいのは見た目とても地味なこと 『人造人間キカイダー』と比べてビジュアル的差が…;;;
1973年実写版ドラマのカラーセンスもスゴかったけど(笑)

次々に起こる怪事件 鍵を握るのは「R.R.K.K.」という組織。
どうやらKを造った「マザー」とも関わりがあるらしい。
おやじさんと共にマザーを詰問する彼ですがついには返事を拒否されてしまう。
「おまえを造ったのは間違いでした」人間不信に陥るマザーから言われショックを受けるK。
しかしあくまで創造主マザーを信じ、悪のために戦うことを自ら誓う彼でした 立派だ!

刑事推理とSFアクションを絡めた展開が魅力の当作品。
唐突にラストを締められたのはやや残念、その後のKが気がかりですー (._.)ゞ

【人参のしっぽ記:評価★★★☆☆】



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