完結編を待ちつつ読みたい石ノ森萬画【完結編準備編】



『X指令』
★★
(1966年 別冊冒険王連載)
コダマプレス ダイヤモンドコミックス『ミュータント・サブVOL.2』/
虫プロ商事 石森章太郎選集『ミュータントサブ(III)』/
双葉社文庫名作シリーズ『ミュータントサブ2巻』/他


★ダイジェスト★

人間とは思えない早業で女の子を助け、交通事故を防いだ少年「ケン」に目をつけ、
その身を狙う一団がいた。

紆余曲折の末、ケンはその一団が某所で人類を人工進化させ、エスパーに仕立てたり、
サイボーグに改造したりしている事を嗅ぎつける。一団の正体とは?

ケンの秘めたる「力」が覚醒する!

【緋鳥記】

   



★入手状況(2003年12月現在)★

双葉文庫名作シリーズ『ミュータントサブ』に収録… まだ新刊入手可能なはずです。
ブックオフなどでも良く見かけます。

また『少女版ミュータント・サブ』は、石森章太郎作品集(1)<サンリオ1978年3月2日刊>、
朝日ソノラマ サンワイドコミックス 2巻等に収録されています。

【緋鳥記】

                   


★ここがオススメ!!★

この作品は『ミュータントサブ』の本編ではないのですが、
広義でそのシリーズの中に入ると思います。

『少女』という雑誌に所謂『少女版ミュータントサブ』が連載されたと同じ年(1961年)、
『中学生画報』という雑誌に『ミュータントX』という作品が連載されていました。

x 2作品とも未完の状態で連載が終了しましたが、『ミュータントX』の方は、後に
『別冊冒険王お正月増刊号』(1966年)誌上で、『X指令』と改題して続編が発表されました。
(『X指令』の絵柄が途中から激変するのはそのせいです)

両作品の骨子は非常に良く似ており、その差が当時の『少年漫画』と『少女漫画』
の差であることが良く分かります。姉妹編というよりも、まるで同じ作品の「表と裏」
を見るようで非常に興味深い感じがします。

 illustrated by 緋鳥
『少女版ミュータントサブ』のヒロイン「ルミ」      



『少女版ミュータントサブ』はどちらかというと『江美子ストーリー』的石森少女漫画に
プラスして、後の『イナズマン』的な雰囲気があるのですが、『X指令』のオチは
まるでプチ『幻魔大戦』のヴァリエーションです。

また、主人公の名前は、多分「ケン」というのがオリジナルなのでしょうが、
この作品が『ミュータントサブ』のシリーズの一つであるという観点からか、
朝日ソノラマ版に収録された『X指令編』(タイトルに<編>という文字があります)
は主人公が「サブ」になっています。
新しい双葉文庫版では「ケン」に戻っています。

そして、この話で登場するサイボーグは、『ベトナム編』や『ヨミ編』等に登場する
サイボーグマンにそっくりです。

【緋鳥記:評価★★☆☆☆】

 

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