落 葉    繭さま(77,793Hits)
      いつもお世話になっている繭さんが77793をゲットされたというので、      「せっかくだから何かリクエストを」とお尋ねしたところ、なんとなんと!      お返事をSSでいただいちゃいました〜〜〜〜〜(*^▽^*)      うちの紅葉イラストのイメージだとか・・・う、嬉しいです〜〜〜(T_T)      というわけで、いただいたSSに合わせて、77793御礼イラストを描いてみました。      繭さんの素敵なSSと共にどうぞ♪                 「きれいね…。」      「うん。日本の秋はもみじがきれいなんだよ。」      いつもより早く眼が覚めた朝。      ジョウと二人で、コズミ博士の屋敷周辺を散歩した。      日本へ来て初めてみる木の葉の色付き。      すこしキンと冷えた空気に鮮やかな紅葉が映える。      「わぁ、すごいわね。地面も、もみじの絨毯だわ。」      夕べの風で吹き飛ばされて落ちたのか、たくさんの乾いた落ち葉がかさかさと音をたてる。      早朝というのもあるせいか、公園ではジョギングをする人や      犬の散歩をする人の姿がちらほら。      なんとなく眼があうと、互いに少しぎこちなく会釈をする。      「でも、なんだか違ったものを見る眼でこっちを見ているような気がするわ。」      「仕方ないよ。日本じゃ外国人はまだそんなに見なれてはいないから。」      「そうなの?でも、なんだかちょっと不愉快だわ。」      「こればっかりはね。慣れるしかないと思うよ。」      軽いため息まじりの笑顔。半ば諦め口調…と言う感じでジョウはそう答える。      「ひょっとして、ジョウもこんな風にじろじろ見られていたの?」      「まぁね…。」      そういえば、彼は日本人と言えども髪や眼の色は明るいし、      どちらかといえば多くの日本人の中ではひときわ目立つ風貌をしている。      「日本人ノハハト、外国人ノチチ…。」      顔を合わせたばかりの頃、イワンからそんなふうに聞かされた。      そうね…。出会う前は、少年院を脱走する程にひねくれていたのだから      相当、風当たりは強かったんだろうな…。      そんな事をぼんやり思っている隣で、かさかさ、がさがさと音がする。      ん…?なんだか随分と…noisy!      「ねぇ、ジョウ。一体何しているの…?」      見るとジョウはわざわざ落ち葉がつもっているところを選んで      ばりばりと踏んづけて歩いている。      「えっ?…あ、ごめん。…なんか、落ち葉のばりばりいうのが面白くて。つい。」      ちょっとばつの悪そうな顔になって、でも楽しい悪戯がみつかったのが嬉しそうで。      「まぁ、ジョウったら。」      「小さい頃も確か、こんな事して遊んでたなーって。」      「そうね。単純な事が面白かったかも。」      「そうそう、冬になると、水たまりが凍っていて。」      「割って歩いたんでしょ。」      「あ、そうそう!」      彼にも小さな頃の楽しい思い出はあったのね。      なんとなくほっとした。      帰り道、二人で半ばムキになって落ち葉を踏んで歩いた。      かさかさ。がさがさ…。

 





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