『009@CODA!!』はじめての投稿SSですぅ〜〜〜〜〜〜〜!!! もぉ、嬉しいっす!
もとはといえば、BBSに書き込みしてくださった繭さまにダメモトでおねだりしてみたのがきっかけでした。
ああ〜「あとは勇気だけだっ!」ってホントですよ、みなさん☆
「お題」を4つくらい送りつけた(←ほんと迷惑野郎・・・)なかで、
繭さまから頂いたのがこの「張々湖飯店でバイトする93」vv
私なりにイメージ付けてみました。では、はじまり、はじまり・・・。
「なんだか、変な感じ!」
そういいながらフランソワーズがホールからバックヤードへ戻ってきた。
「どうしたの?」
「う〜ん、なんていうか、本当にあの人料理評論家な訳?って感じなのよね。」
「その、ツヤマさんとかいう人?」
「そう…。で、ちょっと聞いてよ!ジョー。女の人だったのよ!こんな格好しなくても全然よかったのよ!」
「え…男の人じゃなくて…?」
店をオープンしてから度々、僕とフランソワーズは手伝いに入っていた。
ただし、今日は特別。
その世界では有名らしい評論家が店に来る。
店の宣伝にもなるからと、張大人はかなりの力の入れ様だ。
そりゃぁ、できる限り力になってあげたいのはやまやまだけれど、
まさか、あそこまで広範囲で買い出しに出されたのには、さすがに閉口してしまう。
フランソワーズもかなり御機嫌ナナメだし。
(でも、あのチャイナ服姿はホントに似合うと思うのだけれどな…。)
厨房から張大人の声が飛んでくる。
「次の料理出来たよ〜。盛り付け頼むあるよ〜。」
「あ、はーい!今行きま〜す。」
そそくさと、立ち去られてしまったので、肝心の「変な感じ」は聞けずじまい。
僕は僕で、防護服から着替える間も無くセッティングに回されているし。
なんだかなぁ。
「ジョーはん、なにぼんやりしてるね。次の買い出し頼むあるよ。」
え〜〜〜〜っ!
************
何皿目かの料理を食べた後、ホールの方からなにやら怒鳴り声が聞こえる。
しーんとした店内。
扉が閉まる音が聞こえる。
フランソワーズが不安そうな顔をしてこっちを見る。
なんだか、あまりよろしくない雰囲気。
「どうやら、お気に召さなかったみたい…」
食べ残された食器を下げて彼女が戻ってきた。
「可哀想。張大人落ち込んでいるわ。」
************
行儀が悪い事は承知で、二人で残った料理を口に運んだ。
「美味しいのにね…。」
「うん、おいしいよね…。」
「何でだろう…。」
「何でかしら…。」
後が続かず黙っていると、少し思いつめた様子で彼女は喋り出した。
「それとも、私たちの舌が、もう普通の人達とは違うのかしら…。」
「まさか!そうだったら、今までのお店の混み具合はどうなんだい?」
いくらなんでも、それじゃぁ、悲しすぎる。
「それもそうよね…。」
でも、もしかしたら…とでも言いたげな表情で彼女はつぶやいた。
こっそり、ホールを覗いてみる。
すっかりしょげかえった張大人の背中が見える。
その後ろでどう対応するかちゅうちょしているグレートの後ろ姿。
「そういえば、張大人、朝からなにも食べていないのよね。」
「え、そうなの?」
「うん…。やっぱり緊張していたんだと思う…。」
「それじゃ、元気でないよ。いつも何かあれば『さぁ、食べるよぉ』って音頭とっている人が
あんなんだったらさ…。ね、なにか僕達で作ってあげられないかな。」
パッと、フランソワーズの表情が華やいだ。
「そうね。なにか簡単なものでも…。」
************
こんなふうにキッチンに並んで立つのは久しぶり。
ドルフィン号では、張大人を中心に、みんなが入れ代わりに食事の支度をしていたっけ。
辛かった日々だけど、あの時は楽しかったな。
ジョーのいう通り『食べなきゃ元気出ない』わよね。食べる事ってやっぱり大切よね。
「なんだか、楽しそうだね。」
嬉しそうな顔をして、ジョーが話し掛けてくる。
あ、私ったら…にやけていたのかしら。
「うん…。みんなでごはん作ってた時の事、思い出しちゃったの。」
「そう…。」
彼もまたなにか思う事があったのか、しばし無言で作業を進める。
「油、はねるといけないから、僕が炒めるよ。」
「あら、大丈夫よ。この位。」
「でも、しみになるといけないから。」
「え…。」
ジョーはニコッと笑うと、中華鍋を手にとった。
ああ、チャイナ服。…そうか。
さっきの言葉を思い出す。『きらいじゃないよ。その格好。』
恥ずかしいのと、ちょっと嬉しいのと照れくさいのが入り交じって妙な気分。
本当は、チャイナ服自体は嫌いじゃない。アジア系の民族衣装はかわいいものが多いもの。
ただ、このデザインは、露出がちょっと多いのよね…。
「さ、出来た。味見してもらってもいい?」
「OK。」
あつあつをほおばる。うん。おいしい。
「大丈夫。すごく美味しいわ。」
「お世辞でも、うれしいな。じゃ、冷めないうちにもって行こう。」
テストで満点でもとったみたいな笑顔でジョーはホールに向かった。
************
「それは御苦労だったの。二人とも。」
私たちの話に笑いながら、博士はコーヒーをいれてくれた。
「あ、スミマセン。博士。イワンの面倒も見て頂いたのに。」
「なんのなんの。しかし詐欺だったとは、災難じゃったな。」
「本当…。でも、張大人も自分の料理の腕が悪いんじゃないとわかってホッとしていました。」
「まぁ、なんにせよ、ひと安心じゃな。…おや、ジョーはかなりお疲れのようじゃの。」
振り向くと、ソファーの背にもたれて、ジョーは軽く寝息をたてていた。
あの後、警察の調書が終わると、当然のごとくグレートはお酒を抱えて騒ぎ出し、
食材が勿体無いからと張大人は料理をたらふくごちそうしてくれた。
ジョーが犠牲になったのはいうまでもないけれど…。
「君が彼を運ぶのは無理じゃろうから、しばらくここで寝かせてあげなさい。」
「そうですね。…じゃ、毛布とってきます。」
ふわり。毛布をかける。風邪ひかないでね、ジョー。
おつかれさまでした。
3日後、張大人から電話があった。
「ふらんそわーず、また悪いけれどあの服来てまた手伝ってくれるあるか?
今度は、テレビの取材入るね。」
テレビ…。肩から力が抜けた。
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「じゃ、行ってきます。」
そういって、フランソワーズは嬉しそうに出かけて行った。
「嫌がっとんたんじゃなかったのか?チャイナ服着るの。」
「案外、気に入ったみたいですね。」
博士はあんなにビックリしていたけれど、似合っているのだからいいんじゃないかなぁ。
実際の所は良く解らないけれど…。
いかがでした? 二人が自然に仲良しなのが、なんとも微笑ましいですよね〜vv
私的には、味見のシーンで、改造された自分の身体を想うフランソワーズがツボでした。
幸せな日常のなかにふと混じる、サイボーグの哀しみがちゃんと描かれているのが、さすがです!!
それにしても、一緒に料理しながらジョーは何を想っていたのでしょう・・・?
闘いの日々かしら、それとも孤独だった子供の頃のこと?
ところで、うたた寝シーンのイメージですが・・・あれ?
「ソファーの背にもたれて」って書いてあるぢゃん! もっとよく読めよ、ぢぶん(汗)
えとえと、あれはフランちゃんが毛布を取りに行っている間にジョーがころんと横になった
ということで・・・く、苦しいですが(A^_^;) よろしくお願いします。
繭さま、ほんとうにありがとうございました。
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