★番外編・F1日本GP@鈴鹿 観戦記★
2002.10.11〜13



★土曜日・公式予選★



午後1時からの予選に先立ち、午前はまたフリー走行。

サーキットを周遊して、あちこちの観戦ポイントを訪ねてみました。



まずは、シケイン。加速中のフォーミュラカーが、一気に減速する場所。車の速さ、そしてブレーキとギアチ

ェンジのポイントが、一台一台違うのが、よく分かります。ギアチェンジの音がものすごい!(これはTVでは

聞こえない) そしてミハエルは、本当に速い! 見るからに速いです。音も違うし、ギリギリまで攻め込ん

でブレーキ踏んでるのに、動きにちっともムダがありません。

反対に、いつも最下位独走中の、ミナルディ・アジアテックのアレックス・ユーン(以下ユーン)遅っ。ある

意味、別次元の遅さ(^_^;) いくら男前でも、これではちょっとねぇ・・・。

F1には107%ルールというのがあって、PPタイムから107%をオーバーした人は決勝に出られないんです。

ユーンはあまりにも遅くて、この107%ルールにもう何度も引っかかってるんですよ。今ミハエルが叩き出し

ているタイムを見ると、ユーンはまたしてもダメなのでは? とドキドキ。



ヘアピン。車が止まって見えるので、ゴージャスなカメラ持参のファンがいっぱいいます。


ヘアピン。前がミハエル。後ろで煙吐いてるのがユーン。マジ遅いです。




S字カーブ。ここの自由席は、めっちゃ楽しそうです。なんかキャンプ場みたい(実際鈴鹿はキャンパーが多

い)。1、2コーナーから続く眺めが良くって、サーキットに来たなぁ・・・と実感できる場所。今度来ること

があれば、ぜひ2コーナー指定席で観たいなvv



公式予選では、スゴイことがありました!

なんとなんと3年ぶりの日本人ドライバー、ジョーダン・ホンダの佐藤琢磨 (以下タクマ)が、7番グリッド

を獲得したのです!! スゴイ! これ、知らない人は、7位でなんでそんなスゴイの? って思うでしょう

が、本当にスゴイことなんですよ。フェラーリ、マクラーレン、ウィリアムズの3強が2台ずつ、その次です

よ!! ほとんどこれはPPをとったのと同じくらいの快挙なのです〜〜〜〜〜! 戻ってきたタクマに、観客

席は大歓声! 報道陣にもみくちゃにされながら、コースを歩いてきたタクマが、塀に登りガッツポーズ!!

なんか目頭が熱くなりました。デビューイヤーで、次々とトラブル・ミスが続いて、「とにかく完走だけして

くれれば」と願っていた彼が、ホームグランプリで予選7位なんて・・・。

ミハエルのぶっちぎりのPPも、かろうじて107%ルールをクリアしたユーンも、他の全てが夕焼けに霞んでし

まうのでした・・・(ちょっとセンチメンタル)。


ホンダブースで凱旋報告するタクマ。エキサイトする人、人、人。




★日曜日・決勝★




タクマと今年参戦したトヨタの効果で、観客総数はなんと15万5千人!

とにかく暑いです。じりじりと照りつける、10月とは思えない日差しに、顔や腕の日焼けがヒリヒリします。

目前に並ぶ、赤2台、黒2台、青2台。そして次が黄色2台!

タクマのチームメイト、ジョーダンのジャンカルロ・フィジケラ(以下フィジコ)が8番手なので、グリッド

はきれいに色分けされているのです。 う〜んすごいことだ。



余談ですが、F1は、前年のコンストラクターズ(製造者)順位で車体番号が決まっています。

フィジコは2002年のナンバー9。車もウエアも帽子も全部9です。ジョースキーとしては見逃せません(笑)

しかもフィジコは、めっちゃ男前。長い前髪、憂いを含んだまなざし、イタリア人ってなんでこんなに色っぽ

いのでしょうか。ピット2階で歓送会やってるのを双眼鏡で見ましたけど、マジで格好良かったです。

それにしても、平ゼロ島村にはスポンサーやファンとのおつき合いなんか到底出来そうにもないな・・・。

原作ジョーは謎のレーサーだったけど、レース後公式インタビューがあるから顔は隠せないんじゃないか

なぁ・・・。



あっ、PPのグリッドガール(いわゆるレースクイーン)が、倒れて芝に寝かされています。暑いからねぇ。あ

らら、カメコが集まってきた(^_^;) オフィシャルカメラマンも、マシンそっちのけで倒れたギャルを写してま

す。ひ、ひどい・・・。顔くらい隠してやればいいのに。でも確かにそそられる光景だなぁ(←不謹慎) 担

架がやって来ました。ああっミニスカが、危険★ いくら黒タイツ履いてるとはいえ、その角度はデンジャラ

スすぎる! あ〜あ、行っちゃったよ・・・。


これがPPだ! 向こうに見えるのがピット。旗持ってるのがグリッドガールです。




というわけで(?)レース開始です。エキゾーストノートは、最高潮!

赤ランプが消え、各車いっせいにスタートしました!!!!!

タクマ、いい感じです。後続のルノーから逃げ続けます。ミハエルはとにかくぶっちぎり。009と002の能力

差じゃないけど、なんかもう性能が違いすぎます。

7周目でマクラーレンの、顔は四角いけど彼女は超美人なデビッド・クルサードがリタイヤ。タクマが6位に上

がりました。3位で表彰台、6位で入賞。がんばれタクマ!!!

後ろにへばりついていたルノーが先にピット・イン。続いてタクマ。タイヤ交換と給油をするわけですが、こ

れがTVで見てるよりも数倍も早く思えます。TVだと画面にタイマーが出るからかしら・・・。クルーが群が

り、それぞれの作業を確実にこなしていきます。オートマティックな、信じられないような早さ!

しかしこのピット・インで、タクマはルノー2台に抜かれてしまいました。8位。くそーーー!!

タクマが目の前を通るたび、みんなが一斉に旗を振って応援しています。ああっ1台のルノーが、エンジント

ラブル! そして2度目のピット・インで、ついにタクマが再び6位に浮上!!

すごい歓声です〜q(≧▽≦)p゛

あと16周。とにかくこのまま完走できれば、初めてのポイントゲット!

しかしチームメイトのフィジコが、38周目でエンジンブローでリタイアΣ(`□´;) 他チームのホンダエンジ

ンも、次々ブロー。同じエンジンを積んでいるタクマも、ブローの可能性大です。

あぁ〜どうか最後まで、走り抜いて!

そして49周目で、なんと3位走行中のラルフまでがブロー!!!



タクマ、 5位です★☆★☆★

もう嬉しいよりも、不安が先立ちます。あと4周、あと3周、あと2周!

結局PPから一度もトップの座を明け渡さなかったミハエル・シューマッハー。チームメイトと共に、今1、2

でチェッカーを受けました。

さぁタクマ、ファイナル・ラップ! 15万5千人の観客は、総立ち。まるでウィニング・ランみたいです。

長く長く感じられる5.821km。でもついに、はるかに見渡せる、最終コーナーの観客席から、うち振られる旗

の波が、ウェーブのように迫って来ました。

そして、チェッカー。

今年初めてのF1で、トラブル続きだったタクマ。オーストリアでの大クラッシュからの奇跡の生還。あの時は

30分以上コクピットから出てこず、ドクターに囲まれる姿を見て、死んじゃったのかと本当に心配しました。

結局ヘリで病院に搬送されてたなぁ。自身のミスも、本当に多かった・・・。なかでもモナコのスピンは、後

で川井ちゃんに説教されてたし。トンネル内で抜かせるなんて、無謀すぎだったよね・・・。

だんだん元気がなくなってきて、でも笑顔を絶やさなかったタクマ。来年のシートも危ぶまれている中でのホ

ームグランプリは、ものすごいプレッシャーだったことでしょう。



なんかね〜、今私は東京に住んでいますが、唯一無二の時間って、ほとんど得られないんです。情報がありす

ぎて、刺激も多すぎて、逃したところでどうってことない。あらかじめ設定された「限定」ものなんて、嘘ば

っかりだし(平ゼロの商法なんて、最たるもの。ファンとして嬉しいけど、なんかむなしさも感じるのは私だ

けでしょうか)。流されてるなぁって、よく思います。

だから、今回の鈴鹿で、この現場に立ち会えたことは、とても貴重な体験になりました。タクマの5位が、ど

れくらいスゴイことかって? そう、例えば、甲子園で阪神が優勝したくらい・・・かな? なんせ日本人が

鈴鹿でポイントをあげたのは、12年ぶりのことなのです(やっぱり阪神の方がスゴイか? 笑)。


チェッカーフラッグ後、ピットクルーに迎えられるタクマ。クルーが髪を日の丸に染めてます。




タクマがインタビューに答えて、観客に御礼を言っています。珍しく声が興奮して、感情がむき出しです。

本当に、本当に、おめでとう。



***




いやいや、本当に009にはあんまり関係なかったですね(笑)

しかも書いてる本人が一番興奮してるし。読んでる方に、少しでも伝わるといいんですけど。

ではでは、これからも、二次創作の中で、「ハリケーン・ジョー」の活躍を楽しみにしています。



                                    おわり。



★BACK★   ★原レポ★

 

 

inserted by FC2 system